今日はきれいなお姉さんに心を洗っていただいたので
気持ちよくお勉強しようと思います。
K姫感謝☆
科学技術と政策(Science Technology and Society:STS)
はうちの所属する院の必修クラス。。。
問題調査または検査過程のの不具合、
社会的信用を落とした原因、
問題にかかわる利益団体を見つけるクラスみたいです。
日本のBSE問題のケース。
BES=牛海綿状脳症 ⇒俗にいう狂牛病
bovine spongiform encephalopathy
◎日本におけるBSEの問題
1.1986年の英国BSE問題を専門家を派遣し勉強していたにも
かからず、2001年国内発生時対応が遅く、危機管理体制ができていなかった。
2.関係者が国内発生の可能性を予期していなかった。
・担当者不在による連絡の行き違い、
・研究機関間のコミュニケーションシステムが存在していなかった
・検査キットの使い方に問題があった
・行政担当者が国内の研究者のレベルを理解してなかった
(神里達博、「BSE/牛海綿状脳症/狂牛病にみつ日本の食品問題」
『科学技術社会論の技法』藤垣裕子編、東京大学出版、2005年、117頁。)
◎問題のプロセス(神里、2005年参照)
2001年8月6日に1頭の雄牛が食肉に適さないと
千葉県食肉衛生検査所が診断。
↓
2001年8月15日
独立行政法人・動物衛生研究所で
ウェスタン・ブロット検査後、BSE陰性判明。
↓
2001年8月24日
千葉県家畜保健衛生所、通常の業務で
牛の脳の検査、
脳に空胞発見、
動物衛生研究所に再検査依頼。
国レベルは白、
地方レベルは黒またはグレーと判断分かれる
↓
2001年9月8日
動物衛生研究所で
プリオニクス・テストで陰性
↓
2001年9月10日
動物衛生研究所で
免疫組織化学検査で陽性
同日、農林水産省は確定診断を英国に依頼
・英国の確定診断法は日本の研究者が基礎を作ったもの
↓
2001年9月20日
確定診断発表
・「BSE牛は焼却処分したと発表されていたが、
すでに肉骨粉(にくこっぷん)に処理されて流通していた」
肉骨粉
=牛・豚・鶏から食肉を除いたあとの
屑肉、脳、脊髄、骨、内臓、血液を加熱処理の上、
油脂を除いて乾燥、細かく砕いて粉末としたもの。
豚・鶏の飼料、農作物の肥料、ペットフードの原料となる。
安価で、蛋白質、カルシウム、リン酸質が豊富で高い
栄養価を誇るため、
BSEの問題が起こる前まではよく用いられていた。
参考資料元
<http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%82%89%E9%AA%A8%E7%B2%89>
↓
報道
社会的不信↑
牛肉消費は9月後半から急速に低下
牛肉価格低下⇒生産者、関係企業に打撃
◎BSE問題対策に対する問題点
参考資料
高橋正郎「BSE問題の総括と研究者の課題」
『日本畜産学会報74(2)』、2003年、169-175頁。
対策の流れ
2001年10月18日
政府は食肉に供される牛の全頭検査、
危険部分の除去を実施
↓
2001年11月6日
BSE問題に関する調査検討委員会が発足
(=農林水産大臣と厚生労働大臣の私的諮問(しもん)機関
獣医学者3名、
ジャーナリスト3名、
消費者団体2名、
感染症専門家1名、
農業経済学者1名の中立委員10名)
??どうやってメンバー選出したのかチェックしなきゃ!
↓
↓
2002年4月2日
委員会が11回、延べ30時間審議の報告を大臣に答申。
審議はすべて公開、テレビモニターで一般国民が傍聴可能とした
議事録はインターネットで公開した(異例の厳しさ)
⇒両大臣が諮問した事項
①BSEに関するこれまでの行政対応上の問題の検証
②今後の畜産・食品衛生行政の在り方について
⇒報告
・1990年日本は専門家をイギリスに派遣し、
原因が異常プリオンであること、
肉骨粉の給餌によって万円していること、
英国では肉骨粉の牛への給与を禁止していること
を勉強したが
日本では肉骨粉の使用禁止措置はなされず、
英国含む海外の輸入禁止措置もとらず、
肉骨子の処理条件を異常プリオンが死滅するとされる
136度30分という処理条件を厳しくするにとどめた
・1996年4月英国政府はBSEが人間にも伝達し、
若年層でも変異型クロイツフェルトヤコブ病という
回復不可能の病気にかかる可能性を示唆
⇒WHOが反芻(はんすう)動物由来の家畜飼料を
反芻動物に給与しないようにすべての国に勧告
これ以前
⇒①BSE専門家から厚生される私的諮問機関
②公的な農業資材審議会の家畜飼料検討委員会で
肉骨粉使用を議論(農林水産省の説明によれば)
①の私的諮問機関では農林水産省として
行政指導によって使用自粛を提唱
②の委員会では座長が結論をWHOの本文と
各国対応を待ってからと結論を引き延ばした。
1986年本文入手後、1987年米国、オーストラリアが法的に
肉骨粉使用禁止後も委員会再度を開催しなかった。
⇒
委員会再開は2001年BSE国内発生以降
・1998年から2001年「EUステータス評価」開催。
BSEの発生状況やその可能性を評価するもの。
日本もこの評価を依頼。
結果、ヨーロッパですでに発生している国々と
同じ第3ランクへ格付けされた。
当時肉骨粉の輸入が引き続き存在し、
肉骨粉の使用禁止措置が不徹底だったことがその理由。
⇒
??肉骨粉で利益得る企業と日本政府の結びつきあったのかしら?
⇒
2001年6月農林水産省は
評価を不服とし、EUにステータス評価自体の中断を要請。
国内BSE牛登場の50日前。
「EUの報告書案の内容が国民にあらかじめ
知らされ、これらの対策があらかじめ取られていれば、
国内BSE発生時の大きな社会混乱は防げた可能性が高い」
のではないかという報告がでた
・2001年1頭目発生時、
牛が千葉県の屠畜(とちく)場に運ばれてから、
BSE確定まで、46日を要した不手際。
起立不能の牛は獣医によって敗血症と診断、
頭部以外は肉骨粉へ
頭部の検査に陰性、空胞発見、再確認まで半月要した。
行政対応上の問題点、(高橋、2003年、171頁)
・危機意識欠如と危機管理体制の欠落
・生産者優先・消費者保護軽視の行政
・政策決定過程の不透明な行政機構
・農林水産省と厚生労働省の連携不足
◎課題
高橋氏(2003)によれば
リスク評価機関の条件とは、
EU委員会が『食品安全白書』で指摘する
独立性(independence)
卓越性(excellence)
透明性(transparency)
である。
2003年発足の日本の「食品安全委員会」は
政治、行政、企業、利害眼帯から
どれくらい独立性を保てるのか?
透明性は確保できるのか?
リスク評価をだれがリクエストするのか?
◎ここまでBSEを学習した感想
なさけないのですが、
率直にこのような文章をかける、分析力がある学者さんを
まずすごいと思いました。
自分は、
利害団体を詳しく知りたいですが、
こういう資料ってまとめて出てこないと思うから、
推理の部分も必要なのかなと思います。
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